勤労者腰痛・脊損センター概要

勤労者腰痛・脊損センターの活動の目的

当院は昭和30年の設立当初から長年にわたり、勤労者・高齢者を中心とした脊椎・脊髄疾患(背骨の病気や外傷)に対する専門的医療を提供してきました。そして救命・救急治療から慢性期のリハビリテーション・社会復帰に至る高度かつ包括的な脊椎疾患治療施設として高い評価を得てきました。これまで培った実績に基づき、より高度な医療サービスを提供するための専門センターとして、平成10年「勤労者腰痛・脊損センター」が開設されました。当センターの活動は、勤労者医療の中核をなす「腰痛疾患の予防・診断・治療(保存療法、手術療法、リハビリテーション)」と「脊椎脊髄損傷に対する超急性期から社会復帰までの包括的医療」の提供という2本の柱から成り立っています。さらに、当センターでは、すべての脊椎疾患(頚椎、胸椎、腰椎、仙椎)に対する高度な専門的医療を行っております。

また、北海道せき損センターで行われている脊椎・脊髄疾患治療の実際と成果を国内関連学会はもとより、関連国際学会にて発表しています。私たちは、当センターの診療内 容が国際水準を凌駕する確実なものであるよう関係医師一同、脊椎・脊髄の諸疾患・外傷に対する診療の実際と臨床医学研究を積極的に進めています。

勤労者腰痛・脊損センターの対象となる患者さん

当センターでは災害医療、勤労者医療の推進ばかりでなく、地域住民の方々の脊椎疾患に対する高度・専門的医療の提供も重要な使命であると考えております。したがいまして、勤労者は勿論、小児から高齢者までの脊椎・脊髄に障害を抱えたすべての方々が治療の対象となります。勤労者が休業する最も頻度の高い病気が各種原因による腰痛疾患です。

脊柱の機能と障害

脊骨/脊柱は、個々の脊椎が頚椎、胸椎、腰椎、仙椎と椎間板や関節で連結され、頭蓋骨と骨盤間をつなぎ体を支えているものです。その役割は、(1)体の骨盤から上、頭蓋までの体幹を屋台骨として支え、かつ首、背、腰に運動性を与えていること、(2)脊柱の中には管があり、脳からの重要な神経である脊髄と馬尾が入っていて、それを保護していることです。この脊柱が変性(老化)、外傷(けが)、感染・炎症(骨髄炎、リウマチなど)、先天性奇形、腫瘍などのさまざまな原因により傷害を受けた場合、「体を支える機能」や「神経を保護する機能」が障害され、痛みや麻痺の症状が出てきます。痛みは首・腰・背中のほか手足にまで及ぶこともあります。また、神経の麻痺のより手足の動きが鈍くなったり感覚がなくなったりし、日常生活上で大きな障害が出現することになります。

勤労者腰痛・脊損センターが取り扱う主な疾患

腰痛疾患

腰椎椎間板ヘルニア、変性すべり症、分離症、分離すべり症、先天性すべり症、腰椎椎間板症、変形性腰椎症、脊椎腫瘍(原発性・転移性)脊椎・椎間板炎、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)性椎体骨折、脊柱側弯症、腰椎捻挫、急性腰痛症(ぎっくり腰)など

脊損:脊髄損傷

脱臼骨折、破裂骨折などによる神経障害(脊髄損傷)、骨傷のない頚髄損傷、脊髄損傷による排尿障害(神経因性膀胱)など

その他の脊椎疾患

頚椎椎間板ヘルニア、変形性頚椎症、頚椎症性脊髄症・神経根症、リウマチ性脊椎疾患、頚椎・胸椎後縦靭帯、黄色靭帯骨化症、人工透析に伴う破壊性脊椎関節症、むち打ち症、頚肩腕症候群、胸郭出口症候群、脊髄腫瘍など

勤労者腰痛・脊損センター部門構成

腰痛部門(その他の脊椎疾患を含む)

脊椎外科(整形外科)、リハビリテーション科

脊損部門

脊椎外科(整形外科)、リハビリテーション科、泌尿器科、形成外科

センター長 須田浩太(専門分野:脊椎外科 / 院長)
センター医師 脊椎外科部門 :松本聡子
リハビリテーション科部門:松本聡子 東條泰明

診療体制

診療日 月曜日 午前(三浪、須田、中井、山賀)
火曜日 午前(三浪、須田、東條、小松)
水曜日 午前(松本、東條、猪股、角家)
木曜日 午前(東條、小池、猪股、津村)
金曜日 午前(松本、小松、小池、櫻庭)
腰痛教室 腰痛体操の指導など、リハビリテーション科で行います。